お遍路で金剛杖はいらない?トレッキングポール代用と処分の正解
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お遍路で金剛杖はいらない?処分や代用品の疑問を解決するヒント

こんにちは。幸せのかたちを運営している管理人です。お遍路の準備をしていると、リストにある金剛杖の文字を見て、これって本当に必要なのかなと迷ってしまうことはありませんか。普段の生活では馴染みのないものですし、トレッキングポールのような使い慣れた道具で代用できないかと考えるのは自然なことです。

私も最初はそうでした。荷物を少しでも減らしたいと考える中で、金剛杖はどこで売ってるのか、あるいは買わずに済ませる方法はないのかと悩みました。また、もし購入したとしても、旅が終わった後のお遍路杖処分やお焚き上げはどうするのか、自宅での金剛杖の保管方法はどうすればいいのかなど、次から次へと疑問が湧いてきたのを覚えています。

さらに、形から入るべきか迷い、お遍路のフルセットを揃えるべきか、それとも輪袈裟だけの身軽なスタイルでも許されるのか、といった服装のバランスも気になるところです。便利グッズを活用して快適に巡りたいという気持ちと、伝統を守りたい気持ちの間で揺れることもありますよね。この記事では、そんな私が調べ、実践して感じたことを共有します。あなたの旅が心地よいものになるよう、一緒に考えていきましょう。

この記事のポイント
  • 金剛杖を持たない選択やトレッキングポールで代用する際の考え方がわかる
  • 輪袈裟だけの略式スタイルでも失礼にならないマナーの境界線がわかる
  • 巡礼が終わった後の金剛杖の保管方法や処分やお焚き上げの手順がわかる
  • お遍路の荷物を減らす工夫や道中で役立つ便利グッズのヒントがわかる

お遍路で金剛杖はいらないか判断する基本知識

2お遍路で金剛杖はいらないか判断する基本知識
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お遍路の準備を進める中で、多くの人が一度は立ち止まるのが装備の問題です。特に金剛杖は、その宗教的な意味合いの重さと、物理的な荷物としての大きさの間で揺れ動くアイテムかもしれません。ここでは、金剛杖を持たないという選択肢や、現代的な代用品について、実用面と心情面の両方から整理してみます。

トレッキングポールをお遍路で使うメリット

3トレッキングポールをお遍路で使うメリット
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山道を歩くお遍路では、足腰への負担を減らすために杖がとても役立ちます。そこで選択肢に上がるのが、登山用のトレッキングポールです。金剛杖はお大師さまの分身とされる大切な法具ですが、機能面だけで見ると、長さの調節ができなかったり、グリップが握りにくかったりと、不便を感じる場面があるのも事実です。

機能性と収納力で選ぶ

トレッキングポールを選ぶ最大のメリットは、やはりその機能性にあります。軽量で伸縮可能なものが多く、使わないときはザックに収納できるため、電車やバスでの移動が多い区切り打ちの方には特に便利です。

特に、焼山寺(しょうさんじ)や横峰寺(よこみねじ)といった、遍路ころがしと呼ばれる難所を歩く場合、トレッキングポールの推進力は大きな助けになります。両手に持つダブルストックのスタイルなら、体重を分散させて膝への負担を和らげることも期待できます。普段から登山に親しんでいる方にとっては、使い慣れた道具のほうが安心感があるでしょう。

I型グリップとT型グリップの選び方

お遍路でトレッキングポールを使う場合、グリップの形状にも注目してみましょう。一般的に、起伏の激しい山道や長距離を歩く場合は、持ち手が縦になっているI型グリップが適していると言われています。推進力を得やすく、リズミカルに歩けるからです。

一方で、平坦な道で体重を預けてゆっくり歩きたい場合や、足腰に不安がありバランスを取りたい場合は、持ち手がT字になっているT型グリップが使いやすいこともあります。自分の体力や歩くルートに合わせて選ぶのがポイントです。

お寺でのマナーとゴムキャップ

機能面では優秀なトレッキングポールですが、お寺の境内などでは、金属の石突が地面や床を傷つけないよう配慮が必要です。ゴムキャップを装着して、地面や床を傷つけないよう配慮すると安心です。

また、すれ違う地元の方やお遍路さんの中には、伝統的なスタイルを重んじる方もいらっしゃいます。お大師さまの杖を持たずに歩くのか、と不思議に思われることもあるかもしれません。

併用のすすめ
トレッキングポールを使う場合でも、白衣や輪袈裟を身につけるなどして、巡礼者としての敬意を表す姿を心がけると、周囲とも心地よい関係を築けるはずです。山道ではポールを使い、境内に入ったらポールをしまって手を合わせる、といった使い分けも賢い方法です。

トレッキングポールの正しい使い方や選び方については、専門メーカーのサイトなども参考になります。

(出典:シナノ『トレッキングポールの超基本』https://sinano.co.jp/note/2021/10/19/トレッキングポールの超基本/

輪袈裟だけでお遍路を巡る場合の注意点

4輪袈裟だけでお遍路を巡る場合の注意点
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もっと身軽に、あるいは観光の延長としてお遍路に触れたいという場合、本格的な装備ではなく輪袈裟だけを身につけて参拝するスタイルもあります。これは決して間違いではありませんし、お参りしたいという気持ちがあれば、どのような服装でも受け入れてもらえる懐の深さが四国遍路にはあります。

最低限のマナーと服装

ただし、輪袈裟は仏さまへの正装を示す最小限のアイテムです。これだけを身につける場合こそ、その扱いには丁寧さが求められます。たとえば、トイレに行く際は必ず外す、食事のときも外して清浄な場所に置くといった作法です。これらは形式的なルールというよりも、聖なるものへの敬意の表れだと私は感じています。

服装については、ジーンズやスニーカーといった動きやすい服装で問題ありませんが、あまりに派手なものや露出の多いものは避けたほうが無難です。お寺は修行の場でもあるため、周囲の方が静かにお参りできるような配慮を忘れないようにしましょう。

地元の方とのコミュニケーション

金剛杖を持たず、白衣も着ずに輪袈裟だけで回る場合、自分がお遍路さんであるという目印が少なくなります。これにより、道に迷ったときや困ったときに、地元の方からお遍路さんだと認識されず、声をかけてもらいにくくなるという側面もあるかもしれません。

逆に言えば、輪袈裟を一つ着けているだけで、四国の方々は「よく来たね」と温かい眼差しを向けてくれます。略式であっても、その輪袈裟には「巡礼者としての誇り」が宿っていることを忘れないでください。

これだけは持っておきたいもの
輪袈裟だけでなく、念珠(数珠)納経帳があれば、よりしっかりとお参りができます。特に納経帳は、旅の証として後々まで残る大切なものです。

服装や準備についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

お遍路の初心者の不安解消。服装・費用・時間の完全ガイド

初心者が迷うお遍路のフルセットの内容

5初心者が迷うお遍路のフルセットの内容
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初めてのお遍路では、何をどこまで揃えればいいのか分からず、ネットショップなどで見かけるフルセットに惹かれることも多いですよね。一般的にフルセットと呼ばれるものには、以下のようなアイテムが含まれています。

  • 白衣(袖あり、または袖なしの笈摺)
  • 輪袈裟(首からかける法衣)
  • 金剛杖(お大師さまの分身)
  • 菅笠(日よけ・雨よけになる笠)
  • さんや袋(頭陀袋・ショルダーバッグ)
  • 納経帳・納札・経本・念珠(参拝用具)

セット購入のメリットとデメリット

これらを一度に揃えれば、確かに形から入る安心感はあります。身につけるだけで背筋が伸び、巡礼者としての自覚が芽生えるのも素敵な体験です。しかし、必ずしも最初からすべてを完璧に揃えなければならないわけではありません。

セットのデメリットとしては、金剛杖の長さが自分の身長に合わなかったり、白衣のサイズが微妙に違ったりすることが挙げられます。特に杖は、長すぎると扱いにくく、短すぎると腰への負担になります。まずは納経帳と輪袈裟だけを用意し、旅を続けながら必要だと感じたものを現地で買い足していくのも一つの方法です。実際に手にとって選ぶことで、道具への愛着も深まります。

代用できるもの・できないもの

コストを抑えたい場合、すべてを専用品で揃える必要はありません。例えば、さんや袋(頭陀袋)は、手持ちの白いサコッシュやショルダーバッグでも代用可能です。靴も、専用の遍路靴である必要はなく、履き慣れたスニーカーやウォーキングシューズのほうが、靴擦れのリスクを減らせる場合が多いです。

一方で、納経帳だけは専用のものを購入することをおすすめします。一般の御朱印帳よりもサイズが大きく、納経所で墨書きや御影(おみえ)をいただく際にスムーズだからです。

荷物をどうするか悩んだ時のお遍路の工夫

歩き遍路であれ、公共交通機関を使う遍路であれ、荷物の重さは旅の快適さを大きく左右します。特に金剛杖のような長尺物は、置き場所に困ったり、移動の妨げになったりすることもしばしばです。荷物を減らすためには、自分にとっての優先順位を明確にすることが大切です。

宅配便と預かりサービスの活用

たとえば、大きな荷物は宿泊先に宅配便で送ってしまい、参拝に必要な道具だけを持って移動するという方法があります。ヤマト運輸などの往復宅急便を利用すれば、宿泊先と自宅との間でスーツケースなどの大きな荷物を送ることができます。

(出典:ヤマト運輸『往復宅急便』https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/bothways/

また、主要な駅や観光案内所、一部の宿では荷物の一時預かりをしてくれるところもあるので、事前に確認しておくと安心です。コインロッカーに入らないサイズの金剛杖を持って移動する場合、こうした有人窓口の存在は非常に助かります。

洗濯を活用して着替えを減らす

荷物の中で最もかさばるのが衣類です。多くの遍路宿には、お遍路さんのために洗濯機と乾燥機(または干す場所)が用意されています。これらを活用すれば、着替えは2セット(着ている分を含めて3セット)程度に抑えることができます。

最近では、機能性の高い速乾性のアウトドアウェアを活用して、夜に洗濯して朝には乾いている状態を作る工夫をしている方もよく見かけます。綿素材は乾きにくいので、ポリエステルなどの化学繊維を選ぶのがコツです。

無理のない計画を
金剛杖を持たない選択をする場合でも、荷物を増やさない工夫をしながら、自分の体力やルートに合わせて無理のない計画を立てることが大切です。

荷造りの具体的なリストや便利グッズについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

お遍路の必需品リスト!初心者が揃えるべき持ち物と便利グッズ

お遍路に金剛杖はいらないと思う前に知る管理法

6お遍路に金剛杖はいらないと思う前に知る管理法
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金剛杖を持つと決めたとしても、その後の扱い方や処分について不安を感じる方もいるでしょう。お大師さまの分身とされるだけに、粗末にはできないというプレッシャーがあるかもしれません。ここでは、入手から保管、そして旅を終えた後のことまで、金剛杖と上手に付き合うための情報をまとめます。

金剛杖はどこで売ってるのかお遍路の基本

金剛杖を手に入れる場所は、大きく分けて現地の札所、仏具店、そしてインターネット通販の3つがあります。四国に入ってから準備する場合は、一番札所の霊山寺をはじめ、大きな札所の売店や門前の巡礼用品店で購入することができます。

自分に合う杖の選び方

現地で購入する良さは、実際に手にとって選べることです。木目や太さ、重さは一本一本微妙に異なります。長さについては、肘を軽く曲げて持ったときに無理なく突ける高さが目安とされていますが、最終的には実際に突いてみてしっくりくるものを選ぶのが一番です。

素材にも違いがあります。一般的には杉やヒノキが使われますが、軽さを重視する人には杉、丈夫さや香りの良さを好む人にはヒノキが選ばれることが多い印象です。断面が八角形になっているものは握りやすく、手にも馴染みやすい特徴があります。

通販で購入する場合のポイント

事前に準備を済ませたい場合は、巡礼用品の専門店が運営する通販サイトを利用するのも便利です。名入れサービスなどを行っているお店もあり、出発前に自宅に届くと、いよいよだと気持ちが高まりますね。

通販で選ぶ際は、必ず長さを確認しましょう。長すぎる場合は自分で切ることも可能ですが、杖の頭(五輪塔の部分)ではなく、必ず石突のある下側を切るように注意してください。頭の部分はお大師さまの尊い部分なので、刃物を入れるのは避けるべきとされています。

自宅での金剛杖の正しい保管方法

7自宅での金剛杖の正しい保管方法
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お遍路から帰ってきた後、あるいは次回の巡礼までの間、金剛杖をどのように保管すればよいのでしょうか。基本的には、湿気が少なく直射日光の当たらない場所を選びます。木製なので、極端な乾燥や湿気は反りや割れ、カビの原因になることがあります。

敬意を表す置き場所

宗教的な意味合いを大切にするなら、杖先をきれいに洗い、清めた上で、床の間や仏壇の脇など、家の中でも敬意を払える場所に立てかけておくのが理想的です。専用の杖袋に入れておけば、埃もつかず、見た目にも整います。

ただ、現代の住宅事情では床の間がないことも多いですよね。その場合は、部屋の隅でも構いませんので、倒れないように工夫して立てかけ、粗末にならないよう大切に扱う気持ちがあれば十分だと思います。何より大切なのは、その杖を見て旅の記憶やお大師さまとの繋がりを思い出すことではないでしょうか。

カビや虫食いを防ぐ工夫

長期保管する場合、ビニール袋などで密閉してしまうと湿気がこもり、カビの原因になります。通気性の良い布製の袋に入れるか、そのままの状態で風通しの良い場所に置くのがベストです。もし汚れが気になる場合は、固く絞った布で拭き取り、しっかりと陰干ししてから保管するようにしましょう。

巡礼後の適切なお遍路杖処分の選択肢

8巡礼後の適切なお遍路杖処分の選択肢
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結願(けちがん)を迎えた後、あるいは古くなって使えなくなった金剛杖をどうするかは、多くの人が悩むポイントです。選択肢は主に3つあります。

1. お寺に奉納する(お焚き上げ)

四国霊場の最後のお寺である大窪寺などでは、使い終わった金剛杖の奉納を受け付けています。お焚き上げをしてもらうことで、旅の厄を落とし、無事に巡礼を終えられた感謝を捧げることができます。お大師さま、ありがとうございました、と感謝を込めて手放す、最も一般的な方法です。

2. 次回のために保管する

一度の巡礼で終わりにする必要はありません。同じ杖で二度、三度と巡ることで、杖そのものが自分だけの歴史を刻んだ相棒になっていきます。杖先がすり減って短くなった場合でも、愛着を持って使い続けるお遍路さんも少なくありません。

3. 棺に入れるためにとっておく

将来的に自分の葬儀の際に、棺に入れてもらうために大切にとっておくという考え方もあります。これは、あの世への旅路もお大師さまと共に歩むという信仰に基づいています。ご家族にその旨を伝えておくか、エンディングノートに書き残しておくとよいでしょう。

郵送での依頼
現地まで行けない場合でも、郵送でお焚き上げを受け付けている寺院や仏具店もあります。「金剛杖 お焚き上げ 郵送」などのキーワードで検索すると、最新の情報を見つけやすいです。感謝の気持ちを込めて送り出すことで、心の整理もつくかもしれません。

杖と併用したいお遍路の便利グッズ

金剛杖を持つ場合でも、それだけではカバーしきれない不便さを解消してくれる便利グッズがいくつかあります。ちょっとした工夫で、長時間の歩行や毎回の参拝がぐっと楽になります。

杖ホルダー(杖留め)の活用

休憩時やトイレ、納経所で記帳してもらう際などに、杖の置き場所に困ったことはありませんか?そんなときに役立つのが杖ホルダーです。杖に取り付けておけば、テーブルやカウンターの端に引っ掛けるだけで杖を固定できます。これがないと、杖がパタンと倒れてしまい、そのたびに拾う手間がかかることもあります。

グリップカバーで手の痛みを軽減

木の杖を長時間握っていると、どうしても手が痛くなったり、汗で滑ったりすることがあります。そんなときは、テニスラケット用のグリップテープや、専用のカバーを巻くと快適です。クッション性が増し、滑り止めにもなるため、無駄な握力を使わずに済みます。

安全を守る反射材とライト

日が暮れてからの歩行は危険です。特に街灯の少ない遍路道では、車から歩行者が見えにくいことがあります。杖の下の方に反射テープを貼ったり、小型のLEDライトを取り付けたりすることで、自分の存在をドライバーに知らせることができます。100円ショップで売っている自転車用のグッズでも代用できるので、ぜひ準備しておきましょう。

金剛杖カバーが必要な場面とマナー

金剛杖には、しばしば美しい金襴(きんらん)などの生地で作られたカバーが付けられています。これは単なる飾りではなく、お大師さまの頭にあたるとされる杖の上部(五輪塔や梵字が書かれている部分)を保護するためのものです。

カバーを掛けるべきタイミング

特に、宿に入るときや電車・バスなどの公共交通機関を利用するときは、カバーを掛けておくと周囲への配慮にもなり、杖を汚さずに済みます。これは周囲の人への配慮であると同時に、大切な法具を汚さないための心遣いでもあります。

宿に着いたら、まず入り口で杖の先を洗い(または雑巾で拭き)、カバーを掛けてから部屋に持ち込むのがスマートな振る舞いです。

自分らしさを楽しむアイテムとして

参拝中や歩いているときはカバーを外しても構いませんが、雨天時などは濡れないようにカバーをしておく方もいます。色や柄も豊富なので、自分の好みのものを選ぶと、辛い道中でも少し気分が明るくなるかもしれません。鈴付きのカバーなら、歩くたびにチリンと鳴り、魔除けや自分の存在を周囲に知らせる役割も果たしてくれます。

タブーを知って快適にお遍路を巡礼する

9タブーを知って快適にお遍路を巡礼する
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お遍路にはいくつか守るべきマナーやタブーが存在しますが、金剛杖に関しては特に橋の上では杖をつかないという教えが有名です。これは、お大師さまが橋の下で野宿をして休まれているかもしれないため、杖の音で眠りを妨げてはいけないという伝説に由来しています。

橋の上での具体的な所作

橋にさしかかったら、弘法大師が橋の下で休まれているかもしれないという伝承にならい、杖が地面に当たらないように持ち上げて静かに歩くお遍路さんも多いです。このとき、杖を完全に脇に抱える必要はありませんが、地面につかないように意識するだけで十分です。

初めて聞いたときは少し驚くかもしれませんが、こうした伝承の一つひとつに、目に見えない存在への優しさや想像力が込められているようで、私はとても温かい気持ちになります。もしうっかりついてしまっても、過度に恐れる必要はありません。すみません、と心の中で唱えれば、お大師さまはきっと許してくださるでしょう。

日常的な配慮として

実際には、橋の上だけでなく、早朝や深夜の住宅街でコンクリートの舗装路を歩く際にも、カツカツと大きな音を立てないよう気をつけることは、近隣住民の方への配慮としても大切です。厳格なルールとして恐縮するのではなく、誰もが気持ちよく過ごすための思いやりの作法として受け止めると、自然と振る舞いも美しくなるのではないでしょうか。

その他のお遍路のタブーやマナーについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

お遍路初心者必見!四国八十八ヶ所巡りでやってはいけない行動と守るべきマナー

お遍路で金剛杖はいらないか自分の旅を考える

ここまで金剛杖の必要性や扱いについて触れてきましたが、最終的に持つか持たないかを決めるのは、あなた自身です。伝統を重んじて金剛杖と共に歩くのも素晴らしい体験ですし、体力や実用性を優先してトレッキングポールを選んだり、身軽なスタイルで巡ったりするのも、また一つの正解です。

大切なのは、形式にとらわれることではなく、自分なりの祈りや感謝の気持ちを持って巡礼に向き合うことだと思います。もし、金剛杖を持たないことで後ろめたさを感じるなら、それはあなたの心が真摯である証拠です。その優しい気持ちがあれば、どんなスタイルでお参りしても、きっと良い巡礼になるはずです。

あなたの旅が、心穏やかで実りあるものになりますように。

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