お遍路の旅は何日かかる?日数を最短にするための巡り方と準備のコツ

四国お遍路の旅に挑戦したいけれど、まとまった休みが取れないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、少ない日数で巡礼を終えるための工夫や、移動手段ごとの最短日数の目安、ツアーや車中泊の活用法などを解説します。

無理のない範囲で、自分に合った巡り方を見つけてみましょう。

 

この記事のポイント
  • 移動手段ごとのお遍路にかかる日数がわかる
  • 最短で巡るための効率的なルートが見えてくる
  • 車中泊やツアーなど費用を抑える工夫が学べる
  • 自分に合った巡礼スタイルを選べるようになる

 

 

お遍路の最短日数は何日?四国八十八箇所巡礼にかかる日数について

お遍路

お遍路はどれくらい日数がかかるのか、そして最短で巡るにはどんな移動手段が適しているのか。ここでは車、徒歩、ツアーそれぞれの平均的な所要日数を紹介します。

 

「お遍路は何日で回れる?」移動手段ごとの平均的な日数比較

お遍路にかかる日数は、移動手段によって大きく異なります。一般的に、車やバイクを使えば10日前後、自転車では2〜3週間、そして徒歩では40〜50日ほど必要です。これは移動のスピードと、1日に巡ることができる札所の数に関係しています。

例えば、車やバイクの場合は1日に10ヶ所以上回れることもありますが、徒歩だと3〜4ヶ所が限界です。特に山間部では、移動に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールが必要になります。

それぞれの方法にはメリットとデメリットがあります。車やバイクは効率的に回れますが、駐車場所や運転の疲労も考慮しなければなりません。歩き遍路は時間と体力が必要ですが、道中の景色や出会いをじっくり楽しめる魅力もあります。

あなたの体力や時間、目的に合わせて、最適な移動手段を選ぶことが大切です。

 

車やバスを利用した場合の最短日数

車やバスを使ってお遍路を巡る場合、うまく計画を立てれば最短で7日ほどで全行程を回ることが可能です。(注:一般的には10〜14日が現実的です。)特に車遍路では、1日あたり10ヶ所以上の札所を巡ることもでき、移動の自由度が非常に高いのが特徴です。

理由としては、高速道路や主要幹線道路を活用しながら、札所が密集しているエリアを効率的に回ることで、時間のロスを最小限に抑えられるからです。また、ナビアプリや事前予約を活用することで、駐車場や宿泊先の心配も減ります。

例えば、徳島からスタートして高知・愛媛・香川の順で巡れば、地理的にも無駄が少なくなります。ツアーバスもありますが、団体行動のため自由度は下がり、最短でも12〜14日が目安です。

ただし、どちらの方法も早朝出発・夕方までの巡礼が基本となるため、体力的に無理のないスケジュール管理が必要です。

 

歩き遍路での所要日数と距離

歩いて四国八十八ヶ所を巡る「歩き遍路」は、全行程で約1,200kmの道のりになります。これは東京から博多までの距離に相当し、決して楽な道のりではありません。一般的には、毎日30km前後を歩くと想定して、約40〜50日かかるのが平均的な目安です。

速い人であれば30日ほどで歩き切ることもありますが、それには毎日40km近く歩く体力とスケジュール管理が必要です。一方で、1日20kmほどのゆっくりしたペースだと、60日以上かかることもあります。

このように、日数は歩くペースや宿泊先の場所によって大きく左右されます。特に山間部では、次の宿までの距離が長く、1日に歩ける距離が制限されることもあるので注意が必要です。

歩き遍路は、体力だけでなく、天候や装備、計画性も成功のカギとなります。無理なく、楽しみながら進めることが大切です。

 

「お遍路さんは最短で何日かかりますか?」気になる最短記録は?

「お遍路さんは最短で何日かかりますか?」気になる最短記録は?​
お遍路の所要日数は、選ぶ移動手段や計画の立て方によって大きく変わります。​

例えば、車やバイクを利用した場合、最短で7日間で全行程を巡ることが可能です。​これは、1日に12〜16ヶ所の札所を訪れるという非常にタイトなスケジュールによって達成されます。​(注:一般的には10〜14日が現実的です。)

一方、歩き遍路では、最短記録として27日間で全行程を完歩した例があります。​これは、香港のランナーが1日平均約44kmを移動して達成したもので、一般的な巡礼者には再現が難しいペースです。​

ツアーを利用する場合は、団体行動が基本となるため、最短でも12日程度が限界とされています。​ただし、食事・宿泊・移動がセットになっているため、効率よく巡ることができます。​

このように、最短日数は「どれだけ巡礼に集中し、計画を練り上げるか」によって大きく変わってきます。​ただし、無理な日程は安全面にも関わるため、余裕を持った計画が重要です。​

参考:香港のランナーが27日間で四国八十八ヶ所巡礼を完走

 

四国八十八ヶ所を効率よく回るコツ

お遍路を効率よく回るには、事前準備とルート設計がとても大切です。どの移動手段を選ぶにしても、無駄な移動や待ち時間を減らすことが、巡礼の成功の鍵になります。

まず、札所の開所時間(納経時間)は朝7時から夕方5時までです。この時間をフルに活用することで、1日に多くの札所を巡ることが可能になります。特に、車やバイクの場合は朝早くから動くことで、混雑を避けてスムーズに参拝できます。

また、札所の位置関係をよく理解して、移動距離が短いエリアをまとめて回るのも効果的です。徳島県や香川県は札所が比較的集中しているため、効率よく進めるエリアといえるでしょう。

さらに、宿泊場所も重要です。札所の近くに宿を取ることで、翌日の移動がスムーズになります。ナビアプリや紙の地図を併用して、迷わない工夫をするのもポイントです。

このように、少しの工夫と準備で、お遍路はぐっと快適で効率的な旅になりますよ。

 

そもそもお遍路とは?四国八十八箇所の概要

そもそもお遍路とは?四国八十八箇所の概要
お遍路とは、四国に点在する88ヶ所の札所(お寺)を巡る巡礼の旅のことです。この巡礼は、弘法大師・空海の足跡をたどる修行の道として古くから行われてきました。「同行二人(どうぎょうににん)」という言葉が象徴するように、巡礼者は常に弘法大師と共に歩んでいるという信仰が込められています。

巡る順番に決まりはありませんが、多くの人が1番札所の霊山寺(徳島県)から順番に巡る「順打ち」を選びます。反対に88番から1番へ進む「逆打ち」は功徳が3倍になるとも言われています。

四国全体をぐるりと一周するルートは、およそ1,200km。徒歩、自転車、バイク、車、バスなど様々な方法で巡ることができ、それぞれに魅力と挑戦があります。

単なる旅ではなく、心を整える時間や人生の節目に訪れる人も多くいます。お遍路は、自分自身と向き合う大切な旅でもあるのです。

 

 

お遍路を最短日数で効率よく巡るための実践ガイド

お遍路を短い日数で巡るためには、単に「急いで回る」だけでは不十分です。効率的なルートの計画、移動時間の節約、そして体力や交通事情に応じた柔軟な対応が重要となります。ここでは、無理をせずに効率よく巡るための実践的なヒントをご紹介します。

 

最短日数達成のためのモデルコース計画と地図の活用法

お遍路を最短日数で回るには、事前のコース設計と地図の使い方がとても大切です。特に車やバイクで巡る方にとっては、どの札所をどの順番で回るかが、全体の所要日数に大きく影響します。

おすすめの順番は「徳島 → 高知 → 愛媛 → 香川」の順打ちルートです。この順番は地理的に効率がよく、移動距離を最小限に抑えられるため、多くの巡礼者が採用しています。また、札所の密集している地域(香川や徳島)は1日で多くの札所を巡れるポイントでもあります。

地図アプリを使うときは、各札所を経由地として登録してルートを一括で設定するのがコツです。有料道路の使用有無や到着予測時間の設定も忘れずに行いましょう。さらに、山間部や未舗装路などはアプリだけでは把握しづらいため、『四国八十八ヶ所クルマ巡礼地図』のような紙地図も併用すると安心です。

しっかりと準備すれば、限られた日数でも充実した巡礼が可能になります。

 

車でのお遍路を最短で!ルート設定と危険回避のポイント

車でお遍路を回る場合、スムーズな巡礼のためには「ルート設定」と「安全運転」が成功の鍵になります。とくに山間部や細い道路が多い四国では、運転の計画と注意がとても重要です。

まずルートについては、前述の通り「徳島→高知→愛媛→香川」の順打ちが基本です。車での移動は時間の短縮になりますが、札所ごとの駐車場の有無や、狭い道路の通行可否を事前にチェックしておくことが大切です。Googleマップなどで事前にルートを確認し、納経時間(7:00〜17:00)を基準に一日の訪問数を調整しましょう。

また、危険な道もいくつか存在します。たとえば、第12番焼山寺や第45番岩屋寺は、幅が狭くカーブの多い山道が続きます。こういった場所ではコンパクトカーがおすすめで、エンジンブレーキの活用が有効です。

安全を第一にしながらも、効率よく回れるよう工夫すれば、車遍路での最短巡礼も無理なく実現できます。

 

車遍路で注意すべき危険な道や運転のコツ

四国八十八ヶ所の中には、車でのアクセスが難しい札所もあります。特に山間部では道幅が狭く、急カーブや急勾配が続くため、慎重な運転が求められます。

代表的な難所としては、第12番「焼山寺」、第45番「岩屋寺」、第66番「雲辺寺」などが挙げられます。焼山寺は連続するヘアピンカーブが多く、対向車とのすれ違いが困難です。岩屋寺は未舗装の山道で、雨天時にはスリップの危険も。雲辺寺は標高が高く、冬季には凍結の可能性もあります。

こうした道を走るときは、早朝の交通量が少ない時間帯に訪れるのが安全です。また、カーナビだけでなく、紙の地図や道路標識も活用しましょう。

 

時間がない方向け!最短日数のお遍路体験おすすめの部分巡りプラン

まとまった休みがとれない方でも、お遍路を体験する方法はたくさんあります。全行程を一度に回る「通し打ち」ではなく、短期間で回れる「部分巡り」や「区切り打ち」なら、週末や連休でも十分に楽しめます。

たとえば、香川県は札所が集中しているため、1泊2日で数カ所の巡礼が可能です。移動距離が短く、道も比較的走りやすいため、初めてのお遍路にも最適なエリアです。また、徳島や愛媛の札所も、都市部に近い場所なら日帰りでも回ることができます。

このような短期プランでは、「心を整える時間」や「地元の文化に触れるひととき」を感じながら、無理なく巡礼を体験できます。全てを一度で回らなくても、あなたのペースで、少しずつ巡る楽しみを見つけていくこともお遍路の魅力です。

 

1〜2泊で回れる人気の札所コース

お遍路を短期間で体験してみたい方には、1〜2泊で回れる「区切り打ち」コースがおすすめです。とくに香川県や徳島県の札所は距離が比較的近いため、初心者にも取り組みやすいエリアとなっています。

例えば、香川県内で完結する1泊2日コースでは、1日目に71番「弥谷寺」、72番「曼荼羅寺」、73番「出釈迦寺」を巡り、琴平町周辺で宿泊するのが現実的です。弥谷寺は約300段の石段があるため、歩きやすい靴を準備すると安心ですが、他の札所は比較的平坦でスムーズに参拝できます。2日目には75番「善通寺」、76番「金倉寺」、77番「道隆寺」を巡るルートが人気です。車での移動を前提にすると、移動距離も短く、効率よく回ることができます。

また、徳島県では、1番「霊山寺」から6番「安楽寺」、7番「十楽寺」までを巡る1泊2日コースが定番です。この区間は「発心の道場」と呼ばれ、遍路道も整備されているため、歩き遍路を体験したい方にも適しています。車やバスを利用する場合は、13番「大日寺」までを目指すことも可能ですが、移動時間を考慮して、無理のないスケジュールを立てることが大切です。

 

都市部から始める日帰りお遍路スポット

お遍路に興味はあるけど、なかなか長期間の時間が取れない…というあなたにぴったりなのが、都市部からの日帰りお遍路スポットです。車や公共交通機関を使えば、数時間だけでも十分に札所を巡ることができます。

例えば、高松市からは84番「屋島寺」や85番「八栗寺」へ車で30分以内。松山市からは51番「石手寺」、52番「太山寺」へもアクセスが良く、どちらも歴史あるお寺です。徳島市内からであれば、1番「霊山寺」や2番「極楽寺」へもすぐに行けます。

このように、都市からの距離が近い札所は、仕事や学校の合間でも訪れやすく、お遍路初心者にも安心です。また、短時間でも「巡礼の雰囲気」を味わえるのが最大の魅力です。

少しだけでも心を整える時間がほしい方は、気軽に日帰りお遍路から始めてみるのもおすすめです。

 

ツアーでひとり参加する際のポイント

ひとりでお遍路を体験したいけれど、移動や宿泊に不安がある方には、バスツアーの参加がおすすめです。四国八十八ヶ所巡礼をサポートするツアーは多く、初心者や高齢の方にも安心して参加できるように配慮されています。

特にひとり参加OKのツアーでは、個室宿泊が選べたり、荷物の預かりサービスがあるなど、快適に過ごせる工夫がされています。9人乗りのマイクロバスを利用するコースもあり、狭い山道にも対応可能です。

また、添乗員や先達(せんだつ)が同行してくれるため、札所での作法がわからなくても心配ありません。1日1〜2カ所の自由時間を設けたツアーもあり、自分だけの時間を楽しむこともできます。

ただし、団体行動が基本となるため、自由度がやや少ない点は注意が必要です。自分のペースでのんびり巡るより、効率重視で巡礼したい方に特に向いています。

 

まとめ:自分に合った方法で最短日数のお遍路を実現しよう

お遍路の旅は「どれだけ早く回るか」だけがすべてではありません。ただ、限られた時間の中で心を込めて巡礼をしたいという思いも、立派な動機です。移動手段やスタイルによって最短日数は大きく異なりますが、自分の体力やライフスタイルに合った方法を選ぶことが何より大切です。

例えば、短期間で達成感を得たい方には車やバイクでの巡礼、気軽に体験したい方には部分的な日帰りコースやツアー参加が適しています。逆に、じっくりと心の修行をしたい方には歩き遍路という選択肢もあります。

どの方法を選んでも、弘法大師とともに歩む「同行二人(どうぎょうににん)」の旅であることに変わりはありません。あなたにとって無理のないペースで、安全第一の計画を立ててください。そして、巡礼の途中で出会う景色や人とのふれあいを、ぜひ楽しんでくださいね。

  • お遍路の最短日数は移動手段によって大きく変わる
  • 車での巡礼は最短7日で全行程を回ることが可能(一般的には10〜14日が現実的。)
  • 歩き遍路の最短記録は27日で、一般的には40〜50日が目安
  • 自転車の場合は2〜3週間程度が平均的な所要日数
  • ツアーバスを利用した場合の最短は約12日
  • 効率よく巡るには札所の密集地域を優先的に回ることがコツ
  • 移動時間を節約するには事前のルート設計が重要
  • 車の場合は狭い山道や駐車場事情にも注意が必要
  • 地図アプリと紙の地図を併用することで迷いを防止できる
  • 札所の納経時間(7:00〜17:00)に合わせてスケジュールを組むこと
  • 車中泊や野宿などで費用を抑える方法もあるが安全に配慮が必要
  • 時間がない人には1〜2泊で回れる部分巡りがおすすめ
  • 香川・徳島は札所が集中しており短期巡礼に最適なエリア
  • ツアー参加なら初心者やひとり参加でも安心して巡れる
  • 最短を目指すには「無理をしない範囲での計画」が成功の鍵

 

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